思い出の大百科シリーズ・16「鉄道模型大作戦」

 思い出の大百科シリーズ今回は鉄道模型ネタです。

 80年代の初め頃にあちこちの出版社から児童をターゲットにした鉄道模型の入門書が雨後の筍の如き勢いでいくつも出た時期があります。
 そのうち、ケイブンシャの大百科やホビーテクニック等については過去に触れた事がありますが、今回のもそのひとつです。
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 実業之日本社のこどもポケット大百科としてリリースされた「鉄道模型大作戦」
 何とも凄いタイトルです。
 当時はこの本の記憶は殆ど無いのですが、あの頃の私の事ですから恐らくこのタイトルだけで引いてしまい、中身までチェックしなかったのではないかと思います。

 この本を紹介してくれたのはケイブンシャの大百科も紹介してくれた知り合いですが、こちらの方が面白いというので例によって借り出して目を通してみたのですが。

 正直驚きました。

 これまでに読んだ同様の形式の本よりはるかに良く出来ており、内容も充実した一冊だったからです。
 対象が子供向けという事で文体がやや「くだけ過ぎ」ていたり今となっては古い言い回しも多いのですが、それでも内容は的確で分かりやすいものになっています。
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 中でもモデルの取り扱いやトラブル対処、ショップとの利用法には多くのページが割かれていますがこれなどは完成品中心で使われる事の多いNゲージャーにとって有難い部分であり、かつ従来の入門書の盲点だった部分と思います。
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 レイアウトについてもプランの立て方の段階からきちんと解説され作例こそ少ない物の読んでいて大いに役立つ所が多かったです。当時のKATOのプラン集をベースにしていますが筆者なりのアレンジが加えられて現実的な内容になっている所に好ましさを感じました。
「線路オバケを作るな」「主役のNゲージ車両にはそれなりにふさわしい舞台が必要なのだ。良い舞台には良い役者。それを動かす君にはNゲージの名監督の責任がある」など今でも通用する名言、名文も数多いです。

 また、時代柄当時これまた雨後の筍のごとく出ていた「出来合いのレイアウトベース」についてもかなり丁寧に書かれているのがビギナーや年少者向けへの配慮としては興味深いところです。
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 車両カタログでもそれは同様で他の本なら実物のスペックを模型の写真にくっつけてお茶を濁す所をモデルの特徴やアドバイスを交えて的確に書いているのにも感心させられました。
 一例を上げると『人気商品でこれだけを何台も買えない場合が多いからお店でみつけたら買っておこう(ある中間車モデルについて)』とか『値段の割に働き物のEL初心者は特に無理な使い方をしない事だ(香港TOMIXの某EL)』など

 ここまできちんと書けている理由ですが恐らく本書の著者が専門誌のライターでもマニアでもメーカーでもない「模型店の店主」だったからではないかと思われます。
 実際に客相手にモデルを売ってきた経験を重ねていないとこういう書き方はなかなかできない気がします。その意味でも本書の存在はなかなか貴重であるとも言えます。
 とにかく予想以上の名著でした。

 そこで今回の教訓。
「タイトルだけで本の中身を判断するな」(大汗)


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