午前3時に読む本から・12「マッハの恐怖」

 今回紹介する本はいつものと違い「暇つぶし」と呼ぶにはシリアスすぎるのでそういう呼称は使いません。
 
 この辺も昼間は結構暖かくなってきましたが、夜になると気温が急に下がりかなり肌寒くなります。

 まあ、それは置いておいて
 ついひと月前はこんなものではなかったはずなのですが、それでも布団に入っていても腕をむき出しにするだけで寒さが身にしみて来ます。
 ですから寝ながら本を読むにも大判の物は読めません。
 必然的に文庫版か新書版の本が中心になります。あるいはPDAの青空文庫とか。
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 条件としては以前やっていた当直の晩とあまりかわりありません(笑)
 そんな折に最近読む本から。
 
 柳田邦男の「マッハの恐怖」「続・マッハの恐怖」
 どちらも航空事故の原因究明を通して機械と人間のインターフェイスや人間自身のミスの本質を問う内容です。

 ここで取り上げられている事故はその全てが私が実際にニュースで覚えていたものばかりなので読んでいても当時の臨場感の様な物が追体験され、その意味でもぐんぐん引き込まれます。
 実際当直の時もよく読んでいましたし、最初に買った本は2冊とも読み過ぎて分解、急遽二冊目を買った思い出もあります。
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 特に印象的だったのは飛行機が空中分解する所を多くの人に目撃された「BOAC機富士山墜落事故」の部分、同様に多くの目撃証言が調査委員会の推測を裏切るものだったために調査が紛糾した「ばんだい号墜落事故」のふたつです。

 どちらも事故そのものの特異さも去る事ながら「ラジオ放送の記憶が事故発生時刻の手がかりに」なったり「たまたま撮影された記念写真に墜落の瞬間が映っている」極めつきは「墜落直前に機内から撮影された8ミリの映像から事故の瞬間の衝撃度や飛行機の位置が測定される」といった部分。
 (それにしても「巨人の攻撃で吉田の打席の時」とか「めくらのお市」なんて番組名が出てくる所に思いっきり時代を感じます。私なんかだと本書に出てくる中で一番なじみのある番組が「こどもニュース」と「お笑い頭の体操」だったりするのですが)

 いずれもそれ以前の事故調査の常識を一気に覆す着眼点であり、それらのプロセスは如何なる推理小説も及ぶ所のない迫真感に満ちています。

 そしてもっと重要なのはあらゆる交通機関の速度が飛躍的に向上したスピード時代では僅かのミスが命取りになり得る事、それ以上に衝撃的なのは「そのミスを誘う要因に機械と人間のインターフェースの問題が大きなウェイトを占めている所」でした。
 後者の部分は最近よく観る事があるCSの「メーデー!航空機事故の真相」なんかでも繰り返し取り上げられているのですが、本書が出てからでも40年以上経っているのにインターフェイスの問題の本質が余り変わっていない事も伺わせます。
 (確かに改善されている点も多いのですが飛行機の性能向上のペースがそれ以上なのでなかなか追いつけない印象もあります)

 そしてそれらは単に航空事故という枠にとどまらずに他の大事故、或いは私たち自身が日常で体験するアクシデントやインシデントの原因とも重なる部分でもあります。
 日常のインシデントの大半が「大ごとにならなかった」というだけの話で、あまり意識せずに忘れられるものですがそこに何か少しだけ要因が入り込むだけでそれが大事に発展してしまうという怖さをも感じさせられます。

 いずれにしても真夜中でも緊張感を持って読ませる本ではあります。
 

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