「60年代蘇る昭和特撮ヒーロー」

 今回は少し遅めの新刊紹介と言うまぬけな話です。

 少し前まではこういう題材の本を見つけたら決して見逃さなかった筈なのですが、最近は本屋が近場になくなった事もあって店頭で見つける事が少なくなりました。
 年のせいで出不精になったとしたらこれはこれで由々しき話なのですが。
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 そんな訳でこの本の存在を知ったのもつい最近です。それもAmazonの「おすすめ」で
 「60年代蘇る昭和特撮ヒーロー(コスミック出版)」
 本書が出たのは昨年の暮れあたりらしいですが、つい最近まで存在自体知りませんでした。お恥ずかしい話です。

 さて、この種の特撮本の場合、大概がゴジラ、ウルトラ、ライダー、戦隊の括りで語られる事が多くその大半が怪獣ブームや変身ブームの時期を中心に語られる事が殆どです。
 その点本書の中心は「昭和30年代~40年代前半の特撮(というよりも「少年映画」と呼んだ方がいいかもしれない)テレビ映画であり、この点がまず特徴的です。

 取り上げられているのは主に月光仮面、豹の眼、七色仮面などの草創期テレビヒーローですが、中にはCQペット21とかわんぱく砦など他ではこれまで取り上げられる機会のなかった作品もいくつかありそれなりに新鮮な印象もあります。
 昭和30年代~40年代前半にかけては子供向け番組の主流は赤胴鈴之助や白馬童子に代表される剣劇物か怪人二十面相等の代表される探偵物が中心でその合間を縫う形で仮面物がいくつか存在するのが特徴です。
 (今の眼で見ると変身物への関連がつけやすい仮面物にスポットが当てられやすいですが当時の番組表などを見ると剣劇物や探偵物の方が本数が多く、且つ長寿番組も多かった様です。中には後世の特撮ファンに知られていない物も多かったりします)
 それにしても予算も人材も少ない中なのにマリンコングやアゴンといった「単独の怪獣シリーズ」や本格的宇宙戦闘物の「宇宙Gメン」後にも先にも例のない単独主演の怪人物「恐怖のミイラ」と言った意欲作が(どうかすると放映のあてのない先から)次々に製作されていたのは驚きです。
 ジャンルが固まっていないゆえの試行錯誤の産物とはいえ、これだけバラエティあふれる作品作りがされていたというのは凄い話です。
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 当時のキャストインタビューも一部に再録などもあるものの読み応えがあり映画以上に何もない所からスタートしたテレビヒーロー物の製作現場の雰囲気を垣間見る事も出来ます。

 実際、何もない条件からヒーロー物を創出するという事は大変であろうことは想像できますが、それを可能にしたのはひとえに製作者ひとりひとりの熱意があったからと思えます。
 それゆえに小さな工夫の積み重ねやその、過程で生まれたアイデアの飛躍がそれぞれの作品のなかに順次生かされてヒーロー物を育てていったと思いますし、それらの結晶が今の作品へと連綿と受け継がれている気がします。
 そうしたジャンル自体の「成長の過程」を俯瞰し、当時の熱気を感じ取れるのが本書の一番の魅力と言えます。

 本書で取り上げられた個々の作品群をちゃちだ幼稚だと切って捨てるのは非常にたやすい事ですが、翻ってみて今のクリエイターがこれと同じ製作条件に置かれた時にどれだけこれらに肉薄できるだろうかと考えると随分心もとない気もします。


 さて、これだけ昭和30年代ヒーローを俯瞰した本というのも久しぶりですが、これでもまだ漏れている作品が多数あるので出来るなら続巻が欲しい所です。
 (私の知っている範囲でも「風雲黒潮丸」「少年発明王」「ピロンの秘密」「口笛探偵長」「小天狗小太郎」「変幻三日月丸」「名探偵X氏」「白鳥の騎士」「快傑鷹の羽」「ヒマラヤ天兵」「アタック拳」「天馬天平」「ジャングルプリンス」なんかが思いつけますし)



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