思い出の昭和ヒーロー列伝から・「レインボーマン」

 今回は昭和ヒーロー列伝ネタから

 この番組が始まって以来、いつかは取り上げられるだろうと思いながらもなお、放映を期待していた番組がありました。
 それが今回取り上げる「レインボーマン」です(放映17回目)
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 本作については主に敵役である「死ね死ね団」のバックボーンやら人の心の弱さに漬け込むという巧みな作戦のもつ身近な、そしてリアルな恐怖感などが非常に特徴的です。
 が、その点については幾多のファンサイトが多くの考察を残しており私としてはそれらにこれ以上付け加える事があまりないので、それ以外の部分で印象に残ったところをピックアップしたいと思います。
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 今回のヒーロー列伝では第2話「レインボーマン誕生」、26話「海底基地大爆発」最終回の3本が取り上げられました。
 死ね死ね団の作戦が「1クールでひとつ」という長期的な物が多いので中間回のセレクトが大変だったと思いますが、結構妥当なセレクトでした。

 この中で印象的なのは第2話の修行シーンからレインボーマン誕生までの一連のながれです。
 文字通り手足の爪から血を流しながら絶壁を上るカット、滝壺に潜りその底に沈む一抱えもある石を抱えながら浮上する修行、裸足で火の上を歩き切るなどどれを見ても主役の苦しさや痛みがひしひしと伝わる描写が目白押し。
 それ以上に修行の苦しみに悲鳴を上げ、師匠であるダイバダッタに泣きながら食ってかかる描写。
 ヒーローになる過程の過酷さ、苦しみ、それに耐えきれない主人公の弱さの過程を視覚的にこれ程きっちり描き切ったヒーロー物は空前だったと思います。

 更にその中で戦死者を蘇生させた上で強さや憎しみを超えた愛を懇々と諭すダイバダッタの奇跡を目の当たりにして自らの弱さを悟りながらより大きな高みを目指す決意に至る部分をはさみレインボーマンの誕生に至る訳です。

 これだけの過酷な修行シーンを丸々1話以上描写した意味は何か。
 そこに「死ね死ね団」の様な強い業を背負った敵を相手に、日本人に守る価値があるのかを常に問われながらなお戦い続けるヒーローであるにはまず、これだけの修行の苦しみを超えた存在でなければならなかったからではないかと思います。

 この点で悩みを背負い続けて追い詰められ続けた風雲ライオン丸や鉄人タイガーセブン辺りよりも同じように追い詰められているはずのレインボーマンがよりヒーローらしい強さを発揮させているポイントではないかと。
 他のヒーローが自分に都合の悪い世界の矛盾を一旦忘れるか他人事のようにふるまう事で単純化された敵と純粋に戦う展開を成立させがちだった中にあって、そうした矛盾や罪を一身に受け止めながら戦い続けるレインボーマンの持つメッセージ性は強烈でありそのヒーローらしさが今も支持されているポイントではないかと思います。

 この頃の川内康範原作のヒーロー物にはほかに本作の後番組の「ダイヤモンドアイ」、少しのブランクの後東映で作られた「コンドールマン」と続きますがどれもこれも非常に強い印象を見る物に植え付け続けました。
 (「コンドールマン」に至っては私の故郷では遂に放映されず、旅先などで1、2話分を見ていたに過ぎなかったのにその印象は鮮烈極まりなく、いつか観たいと思いつつも30年以上経てからようやく全話見る事が出来ました)
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 ここからは余談です。
 ヒーロー列伝では放映当時の素材を使って最終回も放送されているのですがそのため、ちょくちょく「後番組の新番組予告」が付いてくることがありました。これは後にこの番組を見る時の隠れた楽しみだったのですが初めてこれをやったのが「レインボーマン」でしていきなり「ダイヤモンドアイ」の新番組予告が掛かった時には思わず狂喜したものです(笑)


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コメント

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この番組昔はクレヨンしんちゃんの時間帯で、放送されてたんですね。見ていて驚いたのは1話で変身せず2話でようやく変身した事、死ね死ね団が麻薬や偽札ばらまいてインフレを起こすなど過激極まりない描写と他の番組と違って連続ドラマだった事。殺し屋出てきても怪人一切登場しない事ですね。平成ライダーよりはるかにリアルで怖い内容です。今幸腹グラフイテイーという癒し系料理アニメ見てますが、料理を腹一杯食べられる事は幸せなんだと思いますね。特に2クールのマネー作戦を見たら余計に。この番組はダイヤモンドアイやコンドールマンと違って正義の心を持った人間に味方するヒーローではなく欲深い男が正義の味方になるまでを描いた作品ですね。

>光になれさん

 「主人公がヒーローになるための修行」で丸々2話使うという所は死ね死ね団の作戦が1クール単位で進行する所と併せて大河ドラマとしての構成が感じられます。
(とはいえ、昭和30年代のヒーロー物は「月光」と言い「七色」といいみんなそうでしたが)

 本作を支え切った大きな特徴は常に市井の生活感覚をとらえ、体感的な恐怖と不安をきちんと書きあげる事で人の心の弱さや美しさを謳いあげている点にあると思います。

No title

後番組のダイヤモンドアイは、レインボーマンとは逆に神と人間のバデイ物と言う非常に珍しい番組で敵も味方もすべて人間だったレインボーマンとは逆に、敵が前世魔人と呼ばれるモンスター軍団である事もう一つは、主人公のライコウと女幹部のヒメコブラの恋愛が後半になり目立つ事、ヒーローであるダイヤモンドアイと怪人の戦いを戦いを書いてる事でしょう。主題歌が前作が主人公の苦しみを書いていたのとは逆に、「負けはしない、死にはしない。勝つために俺は戦う、勝つために、勝つためにー、勝つためーに」と主人公の強さを歌いあげてる事ですね。今の時代だからこそ、ダイヤモンドアイの様な作品を造ってほしいんですが。

レインボーマン

 番組の内容も凄いですが東宝が製作と言う事で平田明彦氏、小泉博氏・・・と本家東宝特撮でも、この組み合わせは無い気がします。
また東宝作品からの流用も多く最終回のミステリアンドーム攻撃シーン(防衛軍のナイキミサイル)やオイルランドタンカーの攻撃
シーン(東宝他作品からの流用)なんかが巧みに入れられています。
しかしヒロー物にしては珍しく秘密を知った一家庭と日本のみをターゲットとした作品は続くダイヤモンドアイ、コンドールマンでも
引き継がれましたが侵略する側が日常に何気なくいる設定(お面おでん?)なんかは笑い話的だけど恐怖をあおる話です。
ただ後半は仮面ライダー、キカイダーを意識した展開も見られますが、やはり東宝的な作風です。


Re: No title

>光になれ さん

 変身でも変装でもない「召喚系ヒーロー」と言うのは後にも先にも例がなかっただけにダイヤモンドアイは独自性が際立っていますね。
 レインボーマンであれだけ主人公の弱さとそれを乗り越える意志を描いた後だけに、雷光太郎は最初から吹っ切れたところを感じます(更に吹っ切れたのが「転生した途端ヒーローの人格だけになってしまったコンドールマンの三矢一心」ですね)

 この作品については近いうちに取り上げるつもりでいます。

Re: レインボーマン

> 星川航空整備部 さん

 東宝作品のデュープが多い事や上述のキャスティングの関係もあって東宝臭さが結構濃厚な作品ですが、本作とダイヤモンドアイは実質的に国際放映(新東宝から東宝の系列に移行した会社)の製作なせいか原作者の作風を別にしても東宝映像系の「ゾーン」「バンキッド」「メガロマン」とは異なる肌触りを感じさせますね。

 どちらかと言うと「スーパージャイアンツ」のノリに近い気がするのですが。
 ナックの下請けで国際放映が製作し、スタッフの重複も多い「バトルホーク」にもレインボーマン的な雰囲気を感じます。

 この不思議な二面性が東宝系ヒーロー物の特徴のひとつではないかと思えます。