「昭和ヒーロー列伝から」・スペクトルマン

 久しぶりの昭和ヒーロー列伝ネタから

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 今回は「スペクトルマン」です。
 昭和46年の変身ブームの折「仮面ライダー」や「帰ってきたウルトラマン」に先駆けてブームの扉を開いた記念碑的な作品とも言えます。
 当初は「宇宙猿人ゴリ」というタイトルで悪役を主人公にしていたのが後に「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」を経て最終的に「スペクトルマン」で落ち着いたエピソードは割と有名です。
 この番組がスタートして昭和46年1月の時点で最初から「スペクトルマン」というネーミングだったらこれほどの注目は浴びなかったと思うので中々秀逸な戦略だったと思います。

 ですが当時の私などはこのタイトルのせいで「宇宙猿人ゴリがスペクトルマンに変身する」と勘違いした思い出が(恥)

 意外な事にそれまでの「巨大変身ヒーローものでレギュラーの悪役が設定されていたケース」は殆どありません。
 これ以後同様のパターンの作品は急増しますが、タイトルに使われただけあって主人公のゴリの存在感の大きさはずば抜けていました。
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 「自分の理想と目的持って強く生きてるその筈なのに宇宙の敵だと言われると身震いするほど腹が立つ」
 と言うEDの歌詞に端的に示されている様にそれまでにないスケールの大きなマッドサイエンティストというキャラクターは本作のカラーに大きく貢献していたと思います。

 余談ですが本作はかの「巨人の星」の裏番組としてスタートしたのですが徐々に人気が浸透し第10話の「大地震東京を襲う」の視聴率が巨人の星を上回ったのは有名な話です。
 所でその回でゴリの声を演じていたのが「星一徹の加藤精三」だったのは皮肉な話ではあります。

 当初は「公害怪獣」と言うコンセプトのもとでヘドロ、青みどろ、ゴミの怪獣、或いはゴキブリ、ネズミ、白アリをモチーフにした生理的な嫌悪感を感じさせる怪獣が多数登場して華を添え(笑)ました。
 あの頃は私よりも親の方が気味悪がってチャンネルを切り替えてしまったケースも結構あったと記憶しています。
 (後の路線変更で普通の怪獣の比率は高まるのですがそれでもウルトラ怪獣とは異なるアシッドさが感じられるデザインが多かったと思います)
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 ヒーロー列伝で取り上げられたのは第27話「大激戦!! 七大怪獣」第49話「悲しき天才怪獣ノーマン」最終話「さようならスペクトルマン」
 いつもなら最初に第1話が出てくる筈ですが本作の場合前後編が基本フォーマットだったの上に第1話がスペクトルマンがやられる所で次回に続くになっていたので1話完結篇で怪獣の数の多い27話が選ばれたものの様です。

 個人的に好きなのは49話で私の中では今でも「泣ける怪獣ドラマ」の最右翼です。
 以前このブログでも書いた事がありますがそれについては以下のリンクを。
私が泣いた特撮物
 前期の公害怪獣篇はその殆どがハズレなしと言ってもいい位に充実した内容で予算の関係で特撮がしょぼいハンデを吹き飛ばす位の勢いがあります。
 後期の怪獣Gメン編(防衛組織の公害Gメンが路線変更に合わせて組織替えして以降)では先述の49話の他に実物大の怪獣をトレーラーに載せて街中を練り歩いた「マウントドラゴン編」なんかが記憶に残ります。
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 この作品は地方局などでは夏休みシーズンに集中的に再放送される事が多かったそうで結構後々まで知名度が高かった様です。
 とはいえ、民放二局地域でフジの系列局がなかった私の故郷では本放送以来リピートが全くなかったのでこのヒーロー列伝での視聴は20年ぶり位の再会でした。


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コメント

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スペクトルマン

 第二期怪獣ブームの火付け役です(笑)
ただ今までの特撮物と違って異星からの侵略を
テーマにしながら実際は人間の作りだした公害が
怪物を生むと言う同時期のゴジラ対へドラにも
共通しています。
ある意味、特撮ヒロー物にしては異色作と言った
作品かと思います。
私はクラウンMS40を改造した霊柩車に乗っている
ジェノサイド星人の回がトラウマで本当に、こんな
ヤツが霊柩車に・・・と思いました。
異色作と言えば最近続けてセブン12話、謎の円盤
UFO最終回、光速エスパー最終回を観ましたが
特にUFOとエスパーの最終回は最近まで観る機会
が無かったのですが2つとも異色です。
特にUFOは怪奇的な回が幾つかありセブン後半
の回や怪奇大作戦またはQにも繋がる話が多く
最終回はファイャーマンのロボット少女の元ネタ
になったのかと。
そう言えばウルトラマンエースの竜隊長と梶隊員
のやりとりはスタートレックのカーク船長とMR
スポックの流れに近いです。

>星川航空整備部さん

 仰るように70年代初頭の特撮物、特に70・71年に限ると後にも先にもなかった独特の「空気」感じられますね。

 公害問題が意識的に取り上げられているのはもちろんですがそれとは別に一種のアングラ感があると言いますか。
(特に「ヘドラ」「ゴリ」そして初期の「仮面ライダー」や「シルバー仮面」にそれが顕著な気がします)
 この空気は不思議と同時期のゲイリーアンダーソン系にも感じられるのが興味深いですね。
 「UFO」や「スカーレット」辺りからでしょうか。

 怪奇、幻想系(あるいは夢落ち)の話が最後に来るのは明確なストーリーの完結が無いアンダーソン系特撮物では定番でしたね。
(日本での放映順にシンクロしない事もあるのですが)
「スカーレット」や「テラホークス」なんかもその系列と言えましょうか。


 「スペクトルマン」に戻りますが私などは第2話辺りで地球に降りたラーが「一般人の首をねじり飛ばす(だったかな)」描写に強いトラウマを覚えました(笑)

この番組は、巨大ヒーロー物でありながらも非常に怪奇色が強く話の暗さと救いの無さは半端ない上、ゴリが自由に動ける分、スペクトルマンは上司の意思で自由に動けない異色さでしょうか。変身できても、なかなか勝てずやっとの思いで勝てるのを見てハラハラした子供も多いでしょうね。敵役のゴリが主役だったからこそ書けた番組でしょう。

>光になれ さん

 本作の怪奇色や救いのない展開は放映された昭和46年当時の空気と密接につながっていた気がします。
 あの頃は何かというと「公害」や「高度成長のひずみ」の話ばかりでしたし(このつい2年前まで「昭和元禄」とか浮かれまくっていたのに)

 何しろ「ゴジラ」や「ウルトラマン」までもがそうした暗さを引きずっていた位ですから。

 その中でスペクトルマンの持っていた空気は特にずば抜けていたと思います。

 もっと言うなら本作は初期その製作体制までもがかなりの逆境下だった様ですから一種の「暗い熱気」の様な物までもが画面を通して伝わってきていたのではないでしょうか。

お邪魔いたします。

この作品についてネットで調べてみたんですが、一番「うっ。」ときたのが、ゴリ博士の「犯罪?」の動機。「こんなに美しい地球を人間はどうして汚したりするんだ。」というもの。
真面目な(猿)人なんだなと思いました。
スペクトルマンと戦わない(やっつけられない)で環境保護団体を立ち上げて地球で再出発したりしないかな、とあらぬ妄想を抱いてしまったり。

そうそう、ご存じかと思いますが、この作品の一部音楽が「大都会PART3」「西部警察」に流用されているんですね。特に有名なのは、「無防備都市」で装甲車レディバードを描写していたあの不気味な音楽ですね。
で、ゴリ博士とレディバードの関係を更に妄…(以下略)
乱文失礼いたしました。

>妄想大好き人間さん

 ゴリの侵略動機のくだりは、あの頃公害を扱ったドラマのほとんどすべてに共通する主張(?)だったと思います。
 まさに世相の申し子でしたね。当時はウルトラマンにもゴキネズラとかザザーンとか出ていましたしヘドラなんかま正にそのまんま。
 同時期の「仮面ライダー」に公害怪人が出てこなかったのが不思議な位です(ストーリー上のバックボーンとしてはありましたが)

>一部音楽が「大都会PART3」「西部警察」に流用~
 最終回、ラーとスペクトルマン対決の音楽を聴くと「大激闘!浜名湖決戦」の遊覧船爆破をつい連想してしまいます(笑) 

スペクトルマンは地元の会津では84年と88年の2度再放送されましたが、88年の時は土曜日の早朝だったので、「朝飯の時に怖い特撮ドラマはやめてほしい」と思いました。初回放送の時に夕食時に下品な怪獣ばかり出てくるのでPTAの受けがあまり良くなかったが、「仮面ライダー」と比較して、骨太なストーリーなのでスペクトルマンの方を支持するお父さんもいたらしいです。

>すーぱーぺるるさん

 スペクトルマンの再放送は「やっている所では殆ど毎年やっている(名古屋地区が特にそうだったようです)」のに「本放送以来一度もやっていない」(つまり私の故郷)の両極端な分布のようですね(笑)

 今回のヒーロー列伝は私にとっては20年ぶりくらいの再見でした。

 ただ故郷の場合本放送が日曜夕方6時(途中から「好き!すき!!魔女先生」が入ったため月曜6時に移動)なので上述の様な「夕飯時のトラウマ」のリスクは比較的少なかったです。
 とはいえ親と一緒に観ていた事も結構多かった記憶がw

再放送の時のオープニング

DVDで初めて初回放送の時の「ゴリ」「ゴリ対スペクトルマン」のオープニングバリエーションを拝見しましたが、再放送の時はさすがに「スペクトルマン」で統一し、エンディングは「宇宙猿人ゴリなのだ」のメロオケで統一していましたね。

No title

スペクトルマンの怪獣や宇宙人を見てると、ヒーローの仕事は基本害虫駆除なんだなと改めて思います。等身大ヒーローの仮面ライダークウガ見てスペクトルマン思い出した世代多いかも。敵が害虫や害獣だからこそ、正義の味方でいられるのは。

Re: No title

>光になれ さん

 スペクトルマンの怪獣群は当時の公害日本のカリカチュアだったので余計に害虫の印象が大きかったと思います。
 当時の個々の造形写真を観ると、画面でははっきりわからなかった細部のディテールの中に意識的に見るものに不快感を感じさせる造形がされていたような節があります。

 これらの造形を担当したのがウルトラと同じ高山良策氏ですが、ウルトラシリーズの怪獣がどこか妖怪に通じる独特の親しみやすさを持っているのとは対照的に感じられます。